2021年09月29日
恵林寺開山 夢窓国師毎歳忌 特別朱印を御用意いたしました...
毎年九月三〇日は、恵林寺開山夢窓国師の命日です。
乾徳山 恵林寺は、元徳二年(一三三〇年)に、夢窓国師によって開創されました。
甲斐国の守護であった二階堂貞藤(道蘊)が、私邸を改めて禅院とし、かねてから篤く帰依していた夢窓疎石(一二七五~一三五一年)を拝請したところから始まります。
「恵林」とは、天竺五嶽として知られる、釈尊ゆかりの地の一つ、「鹿野苑」に由来します。
鹿が沢山棲んでいたことからそう呼ばれる鹿野苑は、大勢の修行者たちが修行のために集まる場所でもありました。深い智慧を備えた仙人たちが、森や林のように集う様子から、鹿野苑は、別名「仙人住処」とも呼ばれていたのです。
このように、恵林寺は、悟りの知恵を求める修行者たちが林のように並んで学ぶ場所、「知恵の林」という意味をもっているのです。
恵林寺の名前の由来となっている鹿野苑はまた、お悟りを開かれた釈尊が、初めて御教えを説かれた「初転法輪」の場所でもあります。このように、恵林寺という名前からも、自身にとっての初めての修行道場であるこのお寺にかけた国師の並々ならぬ思いが伝わって参ります。
さて、恵林寺では、国師の命日である九月三〇日には、国師を偲び、その遺徳を讃える「毎歳忌」の法要を厳修致します。
禅寺では、修行の場所であるお寺を開いた開山様をとても大切にいたします。
恵林寺の開山夢窓国師は、後醍醐天皇を始め七人の天皇から「国師号」を授けられた傑僧です。
この大切な日にお詣りいただく皆さまに、この日一日だけの『開山夢窓国師朱印』を用意いたしました。皆さまにお渡しするのは、毎年一度、国師ゆかりの、九月三〇日この日一日限定とさせていただきます。
御朱印には、夢窓国師のお名前と、恵林寺寺宝である夢窓国師真蹟の掛け物から『彩鳳丹霄に舞う』を選び、住職古川周賢老大師に染筆していただきました。
言葉の意味は、百鳥の王である鳳凰が、朝焼けの光を浴びて、朱に染まりながら煌びやかな羽を翻して大空を舞い飛ぶ、というお目出度いものです。
毎年一日の、国師のご命日にお詣りいただきました特別な御縁の証としてお持ちいただきたいと存じます。
恵林寺 山主 白
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