2025年07月01日

7月1日から7月特別朱印『清風』朱印をお分けいたします...

令和7年7月1日から、恵林寺七月特別朱印『清風』朱印をお分けいたします。

 

恵林寺では毎月一つ、特別朱印を準備しております。
文月ふみつきは、恵林寺の竹林にちなんだ『清風』朱印です。

 

文永4年(1267年)、宋の国に渡って修行を重ねていた圓通大應国師えんつうだいおうこくし南浦紹明なんぽじょうみょうは、径山きんざん虚堂智愚きどうちぐ禅師の法を嗣いでに日本に帰ってきます。

この大應国師に学んだ興禅大燈国師こうぜんだいとうこくし宗峰妙超しゅうほうみょうちょうは大徳寺を開き、大燈国師の弟子である無相大師むそうだいし関山慧玄かんざんえげんは妙心寺を開きます。
このように、今日の日本臨済宗の源流となる虚堂智愚禅師は、詩文を得意としていました。

そして、数多く残されている禅師の詩文の中でも、『送別の偈』として知られる『えんきょうきょうの三禅、国清こくせいく』(『虚堂録きどうろく』)は、特に有名です。
虚堂禅師の修行仲間である惟衍いえん行鞏ぎょうきょう如珙にょきょうの三人が、国清寺に向かう旅の途中で霊隠寺りんにんじ鷲峰庵しゅうほうあんに暮らす虚堂禅師のもとに立ち寄ってくれたのです。


あまりにも広大な、中国の大地...

次はいつ会えるのかわかりません。これが最後になるのかもしれない、という思いとともに語り明かし、いつしか時が過ぎていきます。
もう別れを告げて出立しなければなりません。虚堂禅師は友と別れ難く、門の処までやってきます。

もうこれ以上は、きりがありません。最後の別れを惜しみながら見送っていると、門の傍らには細い竹が植わっています。そこに一陣のそよ風が吹いてきて、さらさらと竹の葉が音を立てています。


   相送って門に当れば脩竹しゅうちく有り
   君が為に葉々ようよう清風を起こす...

 

爽やかで清々しい葉擦れの音は、旅立っていく道友たちを見送っているかのようです。

一期一会の出会いと別れだからこそ、万感の思いを胸に抱きつつ、吹き抜ける風のように綺麗に別れ、銘々の道を歩むのです。
恵林寺の夢窓庭園の北には、竹藪があります。
恵林寺にお越しの皆様には、ぜひ、清々しい清風をお感じいただきたく存じます。

御朱印は限定200枚。

 

恵林寺拝観入口の受付までお申し出ください。

 

                                        山主 謹白

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