2019年12月24日

山梨大学教養発展科目『社会の中の医療・医学』に、住職古川周賢老大師が講師として登壇されました...

令和元年11月19日(火)、山梨大学教養発展科目『社会の中の医療・医学』に、住職古川周賢老大師が登壇されました。

 

帰山後、老大師は、


今回は、御縁をいただいて『これからの医師に望むこと』というタイトルでお話をさせていただきました。
医療の現場は、否応なく人の人生、人の生命に向き合う場所です。
技術論だけで押し通すことはできません。
テクノロジーが進化すればそうした問題が解決すると簡単に思っている人が時々いますが、それまで不可能であったことが可能になれば、その新しい可能性が新たな問題を生み出します。先端的技術が開く世界が、それまでの常識の延長では判断できないようなものであったら、どうするのか。

不老不死やクローン、人間の極端なエンハンスメントなど、哲学的な問題が山積です。
こんな時代にあって医療のような世界に携わるのであるならば、自分自身がきちんと人生に向き合っていなければ、必ず行き詰まります。
こういう時にこそ、広く鋭く繊細に感性のアンテナを広げ、深く粘り強く徹底して考えることが必要です。  
仏教では、生と死を別々に分けては考えません。

一息に「生死(しょうじ)」ととらえます。このことの意味をもう一度きちんと考えることから始めるべきではないか。
そんな思いを中心にお話しいさせていただきました。
みなさんとても真剣に耳を傾けてくださり、とてもありがたい機会となりました。

 

と話しておられました。

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