2021年07月06日

7月7日から7月特別朱印『清風』朱印をお分けいたします...

令和3年7月7日から、恵林寺七月特別朱印『清風』朱印をお分けいたします。

 

令和3・4年の『武田信玄公生誕五〇〇年・四五〇回忌』を記念して、恵林寺では毎月一つ、特別朱印を準備しております。
七月文月(ふみつき)は、恵林寺の竹林にちなんだ『清風』朱印です。

 

文永4年(1267年)、宋の国に渡って修行を重ねていた圓通大應国師(えんつうだいおうこくし)・南浦紹明(なんぽじょうみょう)は、径山(きんざん)の虚堂智愚禅師(きどうちぐぜんじ)の法を嗣いでに日本に帰ってきます。

この大應国師に学んだ興禅大燈国師(こうぜんだいとうこくし)・宗峰妙超(しゅうほうみょうちょう)は大徳寺を開き、大燈国師の弟子である無相大師(むそうだいし)・関山慧玄(かんざんえげん)は妙心寺を開きます。
このように、今日の日本臨済宗の源流となる虚堂智愚禅師は、詩文を得意としていました。

そして、数多く残されている禅師の詩文の中でも、『送別の偈』として知られる『衍(えん)・鞏(きょう)・珙(きょう)の三禅(さんぜん)、国清(こくせい)に之(ゆ)く』(『虚堂録(きどうろく)』)は、特に有名です。
虚堂禅師の修行仲間である惟衍(いえん)・行鞏(ぎょうきょう) ・如珙(にょきょう)の三人が、国清寺に向かう旅の途中で霊隠寺(りんにんじ)の鷲峰庵(しゅうほうあん)に暮らす虚堂禅師のもとに立ち寄ってくれたのです。


あまりにも広大な、中国の大地...

次はいつ会えるのかわかりません。これが最後になるのかもしれない、という思いとともに語り明かし、いつしか時が過ぎていきます。
もう別れを告げて出立しなければなりません。虚堂禅師は友と別れ難く、門の処までやってきます。

もうこれ以上は、きりがありません。最後の別れを惜しみながら見送っていると、門の傍らには細い竹が植わっています。そこに一陣のそよ風が吹いてきて、さらさらと竹の葉が音を立てています。


   相送って門に当れば脩竹(しゅうちく)有り
   君が為に葉々(ようよう)清風を起こす...

 

爽やかで清々しい葉擦れの音は、旅立っていく道友たちを見送っているかのようです。

一期一会の出会いと別れだからこそ、万感の思いを胸に抱きつつ、吹き抜ける風のように綺麗に別れ、銘々の道を歩むのです。
恵林寺の夢窓庭園の北には、竹藪があります。
恵林寺にお越しの皆様には、ぜひ、清々しい清風をお感じいただきたく存じます。

                                        山主 謹白

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