2020年01月01日
令和2年度住職年頭挨拶...
ご挨拶
新年、明けましておめでとうございます。
みなさま、お変わりなく健やかに新春を迎えられましたことと、謹んでお喜び申しあげます。
おかげさまをもちまして当山も、一同無事に新しい年を迎えることができました。
昨年は、先住職恵林寺第二十一世特贈歴住妙心不晦軒正道大亨老大師の大祥忌(三回忌)も無事に執り行うことができました。
台風十九号の影響により、JR中央線、中央高速道路ともに山梨-東京・八王子間が不通の状態となり、遠路お越しの皆様には大変なご苦労をおかけすることと相成りましたが、老大師の授業寺である島根の長福寺老大和尚はじめ親族の皆様にお運びいただき、部内・縁故の寺院によって厳粛な法会となりました。
派手なことがお嫌いで、盛大なことはするな、と仰っておられました老大師の意にしたがい、三回忌には特に遠方の方を拝請することは避け、部内寺院を中心としたしめやかな法要とし、未熟ながら迂生が導師を務めさせていただきました。
また、ご存じの通り、恵林寺では毎年9月29日・30日には『恵林寺開山夢窓国師毎歳忌』が厳修されますが、三年前から御縁をいただき、三年に一度、表千家のお家元による献茶式を併せて厳修することとなっております。昨年はその第二回目にあたる年で、大徳寺派博多崇福寺師家坐雲軒岩月海洞老大師ご臨席のもと、茶道表千家三木町宗匠に『献茶式』をお願いすることができました。
開山忌に併せて献茶式を執り行うのはこれが二度目でございますが、令和という新しい年を迎えるにあたり、開山夢窓国師の遺徳を偲ぶ開山忌において、国師に捧げるための献茶式を、千利休居士の「茶の湯」を脈々と今日に伝える表千家の宗匠に執り行っていただくこと、それも大徳寺派の専門道場を備える名刹崇福寺の老大師御臨席のもとで厳修できるということは本当に有り難い法縁でございます。これも、ひとえに修業時代の大徳寺との関わりのおかげでございます。心から感謝する次第でございます。なお、当日はご来賓として、真言宗智山派放光寺の清雲俊元長老、表千家同門会山梨支部支部長、副支部長、献茶道具を準備された千家の十職と千家ゆかりの職人、甲州市長、恵林寺総代、夢窓国師ゆかりの名取八衛門氏、信玄公宝物館館長ほか、関係各位の列席を得て、国師にふさわしい荘重華麗な式となりました
そして最後に、残念なお知らせをお伝えしなければなりません。
既にご存じの方もおられるかと思いますが、恵林寺に長く御縁をいただいておりました飼い犬の玄ちゃんが、去る11月20日の夜半に天寿をまっとういたしました。
恵林寺に来てから16~7年、人間でいえば百歳の高齢でした。
10月ごろまでは、衰えは見せていたもののまだまだ元気で、朝のお散歩にもでておりましたが、11月に入ってからはめっきり弱くなり、20日の夜に静かに旅立っていきました。
人懐こく温和な性格で、吠えることも稀で、誰にでも親しみ、皆から可愛がられ、幸せな一生を大往生で迎えました。もうあの優しい眼を見つめ、暖かくがっしりした背中を撫でることができないかと思うと、とても悲しいのですが、これも生あるものの定め。
皆から愛され、愛情いっぱいに生き抜いた一生を思い、長い年月にわたって可愛がってくださりました皆様に、こころから感謝御礼申し上げます。
さて、新しい御代の新しい年を迎えて...
相変わらず混乱が続く世界情勢のなかで、日本国内では台風、大雨と災害が多発。消費税の値上げもあり、経済も先行きが不安です。
慌ただしく不安の多い時代だからこそ、脚下照顧...
足下を大切に、一歩一歩なすべきことを確実に果たしていくことが大切かと思います。
地方の在り方と同様、お寺を取り囲む社会的な状況も厳しくなってきておりますが、恵林寺も身近な問題と同時に、20年後、30年後の、長期の展望も見据えて、今からコツコツとできる限りの対策を講じていく所存でございます。
たとえば、昨年では、万屋『春鶯囀』中込家ご当主菊子様から一昨年初夏にご寄贈をいただきましたお茶室『一个亭(いっかてい)』は、移築のための解体が進み、移築場所の検討を経て昨年春に地鎮祭を挙行。正式に移築工事に着工し、年内には建具が入るところまで工事が進みました。
最終的な引き渡しは1月中になると思いますが、極寒の季節故、落慶披露は暖かくなる春を待って執り行う予定でございます。
お茶室本体の完成の後、引き続き腰掛け待合、渡り廊下などの整備を行い、全面的な完成は今年の秋を予定しておりますが、お茶室開きを含めて、今後の予定は工事の進み具合、付近の整備の進捗を見ながら随時お伝えいたしたいと思っております。今しばらくお待ちください。
この『一个亭』の落慶をもちまして、平成28年に行いました八衞門座敷および隣接する茶頭寮(さずりょう)の整備に続き、新しく四畳半の本格的なお茶室が新たにお寺に加わることと相成ります。
しかもこのお茶室『一个亭』は、もともとは山梨を代表する政治家・実業家である市川文蔵氏の旧蔵になる由緒あるものです。
市川文蔵氏は1864年(元治元年)に甲斐国巨摩郡荊沢村に生まれ、昭和10年に亡くなるまで現在の山梨中央銀行の前身である富士銀行の頭取を務め、貴族院議員、衆議院議員を歴任した方です。今回移築された新しいお茶室は、この市川文蔵氏が邸内に作り、茶の湯を楽しんでいたものが縁あって『春鶯囀』の万屋に移築され、『一个亭』と命名されて大切に護られてきたもので、それがこの度恵林寺において新たな生命を吹き込まれ、山梨の大切な文化財として皆様に茶の湯の素晴らしさを伝える役割を果たしていくことになります。
春の宗芳会『恵林寺茶会』、秋の『乾徳山恵林寺茶会』のほか『恵林寺親子お茶教室』はじめ、有り難いことに近年では恵林寺も「お茶のお寺」として広く認知されてきております。
お茶は日本文化の総合芸術です。
引き続き、茶道と禅との両輪を通じて、関東屈指の名刹としての文化活動を続けていきたい存じます。
平成三十一年・令和元年度のご報告
平成三十一年・令和元年度は例年通り、放光寺と協力しての『恵林寺・放光寺除夜の鐘』と新年初法要の『祝聖(しゅくしん)』を皮切りに、正月二日の『恵林寺大般若祈祷』を挟んで、正月三日間の『大般若祈祷会』が厳修されました。
1月4日の『年頭回礼』では、住職が「塩山」「下萩」「千野」地区を回礼いたしました。
7日には『七草粥』と『坐禅会始め』が、二十三名の参加者を得て行われました。
12日には甲州市観光課のワイン・枯露柿案内ツアーの皆様がお越しになり、16日には恒例の『檀徒年賀』。19日には恵林寺花園会婦人部『御礼会』。26日には『恵林寺親子お茶教室』第三期生の稽古始めがございました。
29日には前年から引き続き有賀亮右先生による連続講座として第十三回『恵林寺文化講座』:『利休百首の裏のウラ』が開催。
2月3日には『節分会』、7日には恵林寺総代新年会、8日には夢窓国師ゆかりの徳和村名取八衛門家の『薬師祭』が例年通り行われました。同じく18日には恵林寺の職員研修として恵林寺の顧問税理士である荻原税理士と事務長、住職で静岡興津清見寺に研修旅行。
23日には前年に引き続き第三回『恵林寺歴代頂相研究会』を開催。27日には円覚寺管長青松軒横田南嶺老大師が不晦軒老大師の拝塔にお越しになりました。同日には、文化庁の文化財審議委員の皆様が視察でお越しになりました。
3月3日には大書院に於いて『日本温め機構』の講演会が開催。また、12日から15日まで、総代会の発願による恵林寺東駐車場舗装工事が行われ、寺観が一新いたしました。16日には『松里研究会』主催による『枯露柿茶会』が恵林寺大書院・八衛門座敷で開催されました。
例年執り行われます『恵林寺春彼岸法要』は、19日に厳修されました。
23日には恵林寺・信玄公宝物館共同主催『第十回恵林寺講座』が開催されました。第十回のテーマは「武田家」。山梨県立博物館の海老沼真治先生による『武田二十四将シリーズ第三弾 御一門衆(三)―穴山武田氏―』そして伝統文化研究会の猪俣善彦先生による『武田節の謎』の二つの講演が行われました。
26日には慶應MCCスタッフ八名による恵林寺研修が行われ、その夜から第十四回『恵林寺文化講座』が『有賀先生の茶道具あれこれ』(全六回)として開講されました。
4月6日には総代会による『信玄公まつり』のための旗立て。7日には山梨県国際観光交流課の案内でフランスからインスタグラマーのお嬢さんが二人来山。また、笛吹・山梨・甲州・地域みっちゃく生活情報誌『ピグレ』(4/2019APR.vol.80)巻頭特集に、恵林寺『快川国師・信玄公毎歳忌』を採り上げていただきました。記事は、『偉人を慈しみ、生活を祝福する・四月十二日、信玄公の命日にあたり』というタイトルで、住職のインタビューを中心にした内容となりました。12日には例年通り『快川国師・信玄公毎歳忌』が開催され、例年以上の盛会となりました。
同じく15日には甲州市教育委員会文化財課の主催で恵林寺コンサート『箏と名勝恵林寺庭園 〜武田不動尊に献ずる〜』が開催されました。演奏は、山梨市出身でフランス、イタリアなど世界各国で演奏活動を続ける日原史絵さん。
20日には『恵林寺親子お茶教室』一期生による『赤毛のアンの茶会』が恵林寺坐禅堂で行われました。22日・23日には表千家『吉祥会』第六十四回『吉祥会総会山梨大会』が開催されました。会場は恵林寺、向嶽寺、放光寺で、大盛会裡に円成し、四百名以上のお客様が一日の閑を楽しまれました。
翌24日から26日までは『クラボウ』の幹部候補社員研修。27日には、最初にご紹介したとおり、酒蔵『春鶯囀』所有から恵林寺に寄贈され、新たに恵林寺に移築することとなりました茶室『一个亭(いっかてい)』の移築「地鎮祭」が総代三役・施工主の杉本広近工務店杉本社長夫妻、関係者一同の出席により厳修されました。司式は、東照龍王宮の伊藤春夫宮司。
5月1日・2日には(株)サンライズ・プロモーション新入社員研修。6日には表千家前嶋社中宗芳会による恒例の『恵林寺茶会』が開催され、二百人を超える皆様がお越しになり、穏やかな天候の中、茶禅一味の境涯を愉しまれました。8日には例年通り『降誕会』が行われました。
6月16日には『山梨掃除に学ぶ会』に皆様がお越しになり、便所掃除を中心にお寺を掃除してくださいました。23日には『夢甲斐塾』第十九期生の入塾式。
7月4日には、天台宗北群馬部伝道会の研修団参の皆さんがお越しになりました。19日には、第十九回『恵林寺文化講座』小笹晃宗匠による茶の湯講座が開催されました。同じく20日には、第二回『立川こはる落語会山梨編』。26日には「山梨文化協会」の皆様が研修でお越しになり住職による講話、坐禅指導が行われました。
7月27日から8月4日にかけては、甲斐大和のろうけつ染め作家古屋絵菜さんによる個展『在るようで、ないもの。古屋絵菜 個展』が大書院において開催され、大勢の方がお越しになりました。
8月12日、13日には、恒例となりました山梨大学表千家茶道部による『恵林寺茶道合宿』。19日には華道古流清光会師範による『夏休み☆こども活け花体験教室@恵林寺』が、恵林寺大書院に於いて開催されました。講師は、古流清光会教師立川一美・梅田一穂先生のお二人。
25日から28日にかけては、御縁をいただいております茶道表千家の『智慧の輪会』学生メンバーによる『恵林寺茶道合宿』。8月31日・9月1日には第五回目となる慶應MCC講座『禅の智慧』参加者による合宿研修『己事究明会』が行われました。
また、JTBパブリッシングの雑誌『ノジュール(nodule)』九月号に、恵林寺の夢窓庭園を紹介していただきました。『ノジュール』九月号は、大特集が ”まだ知らない”美術館。そして特集が『座って愉しむ小さな日本庭園』というもので、恵林寺の庭園はこの特集の中で『代表的な八庭園に見る微の世界』ということで、山口県の常栄寺雪舟庭、大阪堺の南宗寺庭園、岡山の頼久寺庭園、滋賀の外村繁邸庭園、京都の無鄰庵、東福寺本坊庭園、妙心寺退蔵院余香苑とともに紹介され、住職古川周賢老大師へのインタビューを交えて四ページにわたって解説がなされています。
9月7日には信玄公宝物館との共催で『第十一回恵林寺講座』が開催されました。第十一回目のテーマは前回に引き続き武田家の歴史。作家で武田氏研究会副会長の平山優先生による『武田信繁九十九ヶ条を考察する』。今回は平山先生がお一人で通しの講座を担当され、第一部『九十九ヶ条について』、第二部『九十九ヶ条 雨宮本の意義』と、勝沼の雨宮家に伝わる貴重な写本資料『武田信繁九十九ヶ条』を詳しく解説していただきました。
16日には長野岡谷工業高校、群馬明和県央高校、愛知西陵高校三校の若きラガーマンたちが恵林寺で坐禅研修を行いました。同日には学院大学のウィリアム・リード教授による書道パフォーマンスが三重塔の前で行われ、「喫茶去」の文字が墨痕鮮やかに描かれました。20日、22日には『クラブツーリズム』の恵林寺特別ツアーが行われました。同じく24日にはフランス・ラグビーチームのオリヴィエ・ニール夫妻がお越しになりました。
また、こちらも初めにお伝えしましたとおり、例年通り29日には恵林寺開山夢窓国師毎歳忌宿忌、翌30日には半齋そして表千家三木町宗匠のご奉仕のもとで献茶式となりました。
続いて10月1日には、開山忌に併せての夢窓国師坐禅洞窟登拝を行いました。
10月9日には『花園会婦人部』の研修旅行が行われ、静岡興津の清見寺を拝観。12日には、日本各地に大きな傷跡を残した台風十九号がやって参りましたが、幸いなことに恵林寺は大きな損害もなく済みました。しかしながら、ご存じの通り鉄道網と道路網が切断され、一ヶ月ほど、拝観者も減少となりました。
そうした中、14日にはフランス・グルノーブルのラグビーチームの皆さんが恵林寺にお越しになりました。山梨学院大学ラグビー部監督梶原宏之先生との御縁ですが、皆さんはワールドカップのツアーで来日、ラグビーが盛んな山梨での一日を堪能されました。同じく17日・18日には、初めにもお伝えしましたとおり、恵林寺第二十一世特贈歴住妙心正道大亨禅師大和尚大祥忌(三回忌)が厳粛に、盛会の裡に厳修されました。交通網の復旧が追いつかない中、不便な中を万難を排して駆けつけ、大勢のお運びをちょうだいできましたことは、感謝にたえません。老師の温容を思い起こしながら、月日の経つことの早さを思い、老師の三十余年にわたる御苦労御尽力を改めて感じ、泉下の老師に改めて感謝の思いでございます。
同じく22日には、第二十三回『恵林寺文化講座』として、昨年に引き続き富田宣夫先生を講師にお願いしまして『富田先生にきく♪ 書を鑑るたのしさ』が開催されました。
11月7日には再び梶原先生のご案内でフランス・ラグビーチームの皆様がお越しなり、恵林寺で坐禅。
9日・10日には、第三回『恵林寺曝凉展(虫干し)』展が開催されました。今回も花園大学歴史博物館館長福島恒徳教授による『わかりやすい禅芸術入門』、『頂相(ちんそう:和尚さんの肖像画)入門』の二つの講座も開講していただきました。
16日には甲府勝善寺花園会女性部の皆さん、そして岐阜県揖斐郡の臨済宗妙心寺派大興寺の無相会の皆さんが団参でお越しになりました。大興寺は、わたしの最初の授業寺で、懐かしい顔もあり、法話をさせていただきながら、とても嬉しい思いがいたしました。
17日には四回目となる『乾徳山恵林寺茶会』が開催されました。今年は本席濃茶席に筒井紘一先生をお迎えし、副席立礼席を住職が担当。筒井先生所持の圧倒的なお道具の数々に息を呑み、自由闊達な亭主ぶりに感嘆いたしました。ご多用の中、遠路お越しいただき、素晴らしいお席をお持ちいただきました筒井先生に、こころからの感謝を申し上げます。
続く23日には大書院において山梨大使の『神木優独演会』。27日には富士吉田の水上山月江寺の総代・新命住職晋山式実行委員会の皆様が団参でお越しになりました。月江寺の住職は道場の後輩でともに修行をした中です。こうして一山をお預かりする立場を一歩一歩固めていく姿に逞しさと頼りがいを感じます。
12月14日には、「近世の宗教と社会研究会」の学者の皆様が恵林寺を拝観、八衛門座敷において例会を開かれました。同じく15日には『親子生け花体験教室@恵林寺』が、華道古流清光会師範梅田一穂先生の講師により開催されました。
そのほかにも引き続き、法類である知足院和尚らのお力を借りまして、海外からの観光客の皆さんにたいして英語による坐禅指導、茶道体験実習を開始しており、知足院和尚の活躍によって大変好評で、TV・新聞にも再三取り上げていただきました。
住職の活動に関しては、
例年通り、1月5日は京都で本師大徳寺派管長嶺雲室高田明浦老大師、大徳寺塔頭瑞峯院閑栖前田昌道老大和尚、妙心寺派総務部長上沼雅龍老大和尚とともに、表千家小笹晃宗匠の『空裡庵』で初釜に出席。
10日には表千家宗芳会の身延初釜に出席。17日には表千家東京道場での初釜に出席。28日には明治大学グローバルスクールで、社会人向けの禅の講座を担当いたしました。同じく27日、2月10日とNHKカルチャー横浜ランドマークタワー教室で講座『禅語入門 禅の名言を味わう(三)』を担当。2月16日には、東京深川の円覚寺派三聖山慧然寺初釜に出席。
3月6日には、2021年・22年の『武田信玄公生誕五〇〇年・四五〇回忌』記念事業に向けて、甲州市長田辺篤氏に面会。16日には『信玄公宝物館』の理事会・監事会に出席。29日から三十30日まで大徳僧堂会下会で京都に出張。
4月6日には『武田家旧温会・甲府回付五〇〇年記念総会』に出席。18日には恒例の『向嶽寺秋葉山大祭』に出頭。
同じく21日・22日と開催された『第六十四回吉祥会総会山梨大会』では、実行委員長を務めさせていただき、21日には富士急ハイランド・リゾートの総会会場で『恵林寺と快川国師』という演題で講演をさせていただきました。茶道表千家の『吉祥会』とは先々代住職である加藤会元老師からの御縁となります。また、28日からは、NHKカルチャー横浜ランドマークタワー教室において、講座『禅語入門 禅の名言を味わう(四)』全六回の開講をいたしました。
5月18日からは六年目となる東京丸の内慶應MCC講座『禅の智慧』(全六回)が開講され、今年も三ヶ月にわたって講師を務めました。
19日には富士吉田の名刹月江寺の晋山式に出頭。
6月4日には授業寺である妙心寺塔頭退蔵院開祖忌に出頭、9日には御縁をいただいています彫刻家・武藤順九先生の作品を展示する庭園昭島市の『昭和の森』『武藤順九彫刻園』開園オープニングに出席。22日には『信玄公宝物館』理事会・監事会に出席。
6月30日から恵林寺・山梨中央銀行協力講座『茶の湯に出会う』『茶の湯を嗜む』を茶道表千家の前嶋宗州先生と一緒に開講。山梨中央銀行所有のお茶室『水月』を用いての全六回の講座はとても充実した内容となりました。貴重なお茶室をお貸しいただきました山梨中央銀行の皆様には心から感謝申し上げます。
7月からはアート集団『目』の企画に呼応した前嶋宗州氏の『空壇の茶事』に参加、その集大成として8月10日乾徳山扇平において開催された『乾徳山茶会』に参加し、夢窓国師坐禅洞窟・乾徳山山頂に於いて追善諷経と献茶を行いました。
8月23日には第二十一回『恵林寺文化講座』『禅語入門』(一)『喫茶去』を担当。
9月6日には、鎌倉東慶寺内の公益財団法人『松ヶ岡文庫』で『大拙松ヶ岡文庫第十四回仏教講座』にお声掛けいただき、『柳澤吉保と禅-『勅賜護法常應録』の世界-』という表題でお話をさせていただきました。同じく20日には第二十二回『恵林寺文化講座』『禅語入門』(二)『風露新たに香る隠逸の花』を担当。
10月6日には奈良興福寺『塔影能』に出席、 翌7日には高台寺で行われる『北政所茶会・献茶式』に出席。同16日には龍安寺第十七世住職松山侑弘和尚の晋山式に出頭。17日・18日の先住老大師大祥忌の翌日19日・20日には、表千家不審庵「資格者講習会」「表千家同門会山梨県支部総会 並 一般講習会」に出席。
引き続き翌21日・22日と二日間にわたり、福井の曹洞宗の名刹萬象山御誕生寺の『攝心会』で講話をさせていただきました。御誕生寺は、メディアでは「猫寺」として取り上げられたりもしていますが、曹洞宗の太祖常濟大師瑩山紹瑾禅師ゆかりのお寺です。私事ですが私自身も、今日の御誕生寺をここまでにされた現住職大本山総持寺第二十三世閑月即眞禅師板橋興宗老大師と御縁をいただいていて、十年以上前に何度かお訪ねしたこともございます。今回は、初めて板橋禅師にお目にかかる機会がありました時、おそばにおられた現御誕生寺副住職の猪苗代承峯老和尚にお声掛けいただきました。猪苗代師はその後、臨済宗の修行を修めるために大徳僧堂に掛搭(かとう:入門)されその時にともに修行した大切な道友です。初めてお会いしてから二十年近く経ちますが、互いに宗門の第一線で頑張る立場となり、頼もしい仲間だと感嘆するとともに、ここでも修行のありがたさを思います。
同じく、10月30日には八王子の南禅寺派廣園寺先住職古心庵丹羽慈祥老大師の大祥忌に出頭。翌31日・11月1日にかけて北海道に出張し、北部方面総監の吉田陸将、第七機甲師団の前田陸将とお目に掛かり、じっくりとお話をさせていただきました。
11月18日には東京大学卒業生の集まり『銀杏会』出席。翌19日には山梨大学教養発展科目『社会の中の医療・医学』でお話をさせていただきました。タイトルは『これからの医師に望むこと』。同じく24日から28日まで、妙心寺退蔵院の松山大耕師の紹介でロバート・YC・ホー氏が滞在。坐禅と禅寺の生活を学ばれました。同28日には法類寺院である楽音寺先住職の津葬新忌斎に出頭。翌29日には第二十四回『恵林寺文化講座』『禅語入門』(三)『無事是貴人(ぶじこれきにん)』を担当。
12月6日には「甲斐市倫理法人会」一〇周年記念 第535回 「経営者モーニング・セミナー」で講話をさせていただきました。テーマは『禅の生き方に学ぶ』。同じく10日には、六回目となる恒例の第438回 得々三文会「修行之ススメ 其ノ六』『臨済録』に学ぶ』で講話。17日には第二十五回『恵林寺文化講座』『禅語入門』(四)『直指人心 見性成佛(じきしにんしん けんしょうじょうぶつ)』を担当。
同じく22日にはNHKカルチャー町田で初めての講座を担当させていただきました。テーマは『禅 その生き方の本質は何か』。おなじ日からNHKカルチャー横浜ランドマークタワー教室『禅語入門 禅の名言を味わう(五)』を開講。この講座は全六回となります。
このほかにも、拓殖大学海外事情研究所の川上高司先生との読書会を東京に於いて開催。毎月1回のペースで、既に6回行われ、ユヴァル・ノア・ハラリの『ホモ・デウス』、フランシス・フクヤマの『歴史の終わり』、そしてもう一度ハラリの『サピエンス全史』を課題に討議と学びの場を設けております。この読書会は引き続き今年も継続し、新年はさらにハラリの『21レッスン』から取り組む予定です。また、甲府の『育英セミナー甲府校』の中村安志先生と共同でアイリック・ニュート『世界の種』読書会を月に一回のペースで開催しております。
そして、本年も引き続き、公益財団法人『禅文化研究所』発行の季刊『禅文化』第251号 -特集 なぜ「禅宗」は祈祷をするのか- 第252号 -特集 鎌倉禅中興の祖・誠拙周樗禅師- 第253号 -特集 枯禅の真髄 古月禅材- 第254号 -特集 叢林の音(おと)- に、『禅の見方、考え方(十一七~一四) 私とは何者か - 己事究明(八~十一)』を連載させていただいています。
来年度も引き続き、名刹恵林寺に相応しい活動を続け、禅の布教の拠点としての責務を果たしていく所存でございます。
皆様、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
カテゴリ−: お知らせ