2022年02月20日

2022年度 慶應MCC 講座『禅の智慧』に、住職古川周賢老大師が登壇されます...

臨済宗妙心寺派共催・臨済宗妙心寺派東京禅センター後援

 

  古川周賢老大師と問う禅の智慧【無門関】

     進むべき自分の道に至るには

 

世界規模の激動の中、誰もが先行きに対する不安を抱え、どう生きていくべきか、迷いを感じています。テクノロジーがどれほど発達しても、私たち一人ひとりが、どのように生きていくべきなのか、教えてくれることはありません。自分とはいったい何者なのか、何のために生きているのか、どのような人生を送るべきなのか、自分の生き方を深く掘り下げて考えるのは、自分自身です。

本講座では、禅の古典的な教科書である『無門関』を採り上げ、自分自身の生き方を深く考えぬくための智慧を学びます。

『無門関』の序にあたる部分で、著者の無門慧海は、「この門を透得せば、乾坤に独歩せん」つまりこの関門を通り抜けることができたならば、独立独歩、自由に自分の人生を歩くことができるぞ、と言っています。禅の修行は、この独立独歩の自由を得るために為されるものなのです。

それでは、どうすれば、この独立独歩の自由を得ることができるのか。

『無門関』の語るところを丁寧にたどりながら、ともに考えます。

 

開催形態 ハイブリッド(丸の内キャンパスとオンラインのいずれも参加可能)
日程 2022年 5/28、6/11、6/25、7/9、7/23、8/6(すべて土曜日) 全6回
時間 13:00-16:00(3時間)
定員 25名
会場 慶應丸の内シティキャンパス、オンライン

 

講座内容


5月28日(土)13:00-16:00

第1回『無門関』とは

多くの人を魅了し、禅の世界に導いた『無門関』とはどのようなものなのか。じっさいに『無門関』に惹かれ、大きな影響を受けた講師自身の目から見たその魅力と、歴史的な背景、取り組む前に知っておくべきことなどを学びます。


6月11日(土)13:00-16:00

第2回人生の「関門」とは

はじめに、人生におけるさまざまな試練を「関門」として考えてみましょう。自分の人生を道と考える時、どのような門を思い浮かべますか。自分自身の経験において、それらのさまざまな「関門」は、自分の人生にどのような意味を持つでしょうか。

人生の「大道」にはそもそも「門など無い」のだ、という無門慧海の考え方に取り組む前に、自分自身の考えの出発点を確認します。


6月25日(土)13:00-16:00

第3回『習庵序』『表文』『自序』を読む

いよいよ『無門関』を読みます。まずは要点を確認しながら『習庵序』(習庵陳塤による序文)、『表文』(無門慧開による君主への上奏文)、『自序』(無門慧開による序文)を味わいます。


7月 9日(土)13:00-16:00

第4回第一則『趙州狗子』を読む~公案への向き合い方

『無門関』第一則『趙州狗子』に入ります。修行僧たちに向かって説かれた教材として、どのような心構えでこの問答の物語に向かうべきなのかが詳細に書かれています。ここでは、公案(禅問答)への向き合い方を学びます。


7月23日(土)13:00-16:00

第5回第一則『趙州狗子』を読む~「無」に取り組む

引き続き『無門関』第一則『趙州狗子』を読みながら、禅の修行における中心問題である「無」にどう取り組むかを考えます。禅は「無」を中心に置いた宗教です。思想としての「無」も参考にしながら考えます。


8月 6日(土)13:00-16:00

第6回まとめ

これまでの内容を振り返りながら、「道としての自分の人生」を掘り下げます。自分らしい人生を生ききるためには、人生の道をどのように考えるべきなのでしょうか。その時、自分の人生にどのような「門」が考えられるでしょうか。めいめい自分なりの「無門関入門」を考えます。

 

慶應MCC講座との御縁は、今年で9年目になります。
この講座は、長い間道場に身を置いていたわたしが、初めてこうした講座でお話しをさせていただく機会となった、特に思い入れの深いものです。
9年間、この講座を通じて、わたし自身もたくさんのことを学ばせていただきましたが、この講座の特徴は、しっかりした講座内容のノートが共有されるなど、聴講するみなさんに対してのフォロー・アップが驚くほど行き届いていることです。
今ではわたしも、ここ以外にもカルチャーセンターなど、各所で幾つか定期的な講座を担当させていただいていますが、これだけ充実したフォロー・アップを行っている講座は、ほかには知りません。
このフォロー・アップの配慮は講座の進行や企画にも及び、毎年・毎回、さまざまなことを相談し、打ち合わせしながら講座が進みます。この仕組みのおかげで、普通の講座では取り組めないような内容にも踏み込むことができるのです。
たとえば、この講座では『禅の智慧』をテーマにしていますが、禅の文化的な知識だけではなく、禅的なものの考え方、感じ方を掴んでいただくための「掘り下げ」を中心に置いた取り組みを行っています。そのため、この二年ほど、敢えて「禅語」「仏教語」を用いないで講座を進める、といった試みも行って来ました。この取り組みは、わたし自身にとっても、とても刺激的で気付きの多いものとなりました。
さて、今回は思い切って、敢えて禅の本格的なテキストである『無門関』に取り組みます。これまでの学びを活かして、現代的な問題意識を踏まえて、『無門関』を掘り下げながら、みなさんと一緒に読んでいこうと思います。
講座は、はじめに、わたしが用意した講座の動画を視聴していただき、本番の講座は、みなさんとの質疑応答を軸に進行します。動画の視聴が講義内容として準備されていますので、繰り返しの学びが可能となり、会場にお越しの方も、リモートで参加される方も、同じように取り組んでいただくことができます。そして、事前の繰り返しの学びがありますから、初めて禅の世界に触れる方にも最適の講座になっています。
この講座は、「掘り下げ」を中心に置いているからでしょうか、とても嬉しいことに、リピートでご参加のかたが多いのです。リピーターの皆さまには、ぜひ『無門関』の世界に触れていただきたいと思います。
そして、禅の世界は初めて、という皆さんにも、しっかりしたフォロー・アップが用意されていますので、ぜひ、思い切ってチャレンジしていただきたいと思います。

 

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