禅は「修行の宗教」です。修行の現場において、自分で見、聞き、体感したものだけが真実である、という徹底した姿勢に貫かれています。
自分自身と向き合うときには「坐禅」。世界と向き合うときには「作務」。そして坐禅と作務を通じて体得したものをひっさげて師匠に立ち向かい、一問一答の真剣勝負を通じて自分自身の修行を点検し、吟味する「禅問答」。
禅の修行はこれら三つの柱を通じて、それまでとは違う自由で新しいものの見方、感じ方、考え方―「禅の智慧」―を体得することを目的としています。
厳しい命懸けの自己探求の現場である「禅問答」の世界が一見、頓知較べのような自由闊達さを感じさせるのは、この禅の智慧によるのです。
本講座では、しっかりとした指導による坐禅を行いながら、禅の智慧から生まれてくる自由でとらわれのないものの見方、感じ方、考え方の世界に触れます。