2019年02月24日
3月坐禅会から、講座の講本が変わります...
平成31年度3月の『恵林寺坐禅会』、第1回目は3月2日(土)午前6時から行われます。
毎月第1、第3土曜日は「講座日」として、坐禅会後、恵林寺住職 古川周賢老大師による『講座』が開かれております。
『恵林寺坐禅会』の講座は、昨年3月からこれまで、ちょうど1年にわたって、恵林寺を廟所としています柳沢吉保公の側室、橘染子の参禅録『故紙録』を講本として参りましたが、『故紙録』の講座は平成31年2月16日の講座において、全21回をもって終了いたしました。
したがいまして、3月からの講座は、柳澤吉保公自身の参禅録である『勅賜護法常應録』を講本といたします。
柳沢吉保公は徳川五代将軍綱吉の学問上の弟子にして政治上の側近として、綱吉在世の間、権力の中枢に立ち続けました。
豊かな儒学の教養を持ち、儒教に基づく徳治政治、一種の理想主義的な哲人政治を目指した綱吉の政治的な実験を実現しながら、同時に、その在世の間全国各地で頻発した飢饉、地震、大火、そして富士山の噴火など、天災にも見舞われ、その対処に苦慮し続けました。
そして、その異例とも言える出世、そしてなんといっても赤穂浪士討ち入り時の、幕閣における最高責任者としてその切腹の裁可を下した人物として多くの悪評も受けていますが、その多くは根拠のない風聞に基づくものであり、今日、学問的な資料の検討に基づく再評価の気運が高まっている人物であります。
住職、古川周賢老大師は、
吉保公は、若き頃より禅に傾倒し、生涯にわたって禅宗との深い繋がりの中に生きました。
元服、家督相続の後に人生の問題に直面して根本的な疑念を抱いてからは、多忙を極める政務の合間を縫って、当時最高の臨済僧・黄檗僧について孜々として厳しい修行を続け、本格的な禅的人格を涵養しています。その一代の記録が、膨大な量の参禅録『勅賜護法常應録』として今日に残されています。
巷間、あまり知られることがないものの、第一級の参禅録である『勅賜護法常應録』から、現代のわたしたちも多くを学び取ることができるかと思います...
と、話しておられました。
講本は、今まで通り、会場に準備してございます。
皆様、どうぞご参加下さい。
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