令和7年元旦1月1日の朝から、初詣でお参りの皆様に、新年乙巳の記念朱印をお分けいたします。
令和7年新年の御朱印は、2種類、
①夢 一笑新(夢 一笑新たなり)
②瑞光祥春
①の「夢 一笑新たなり」は、令和7年の勅題「夢」から取りました。
もともとの禅語は、「林下十年の夢 湖辺一笑新たなり」です。
「林下」とは、林の中、俗世を離れた清らかな場所、あるいは、「修行道場」を指す言葉です。
修行僧の集まりを「叢林」と呼びます。大勢の修行僧たちが並んで静かに坐禅に励む様子を林に喩えているのです。
十年の修行も、すべてが夢であった...
そんな意味になります。
世俗の生き方...利害得失に狂奔する暮らしは、儚く虚しい夢のようなものだ。だから、すべてを抛って出家し、修行僧の中に身を投じ、十年の修行を積み重ねた。しかし、その十年の厳しい修行の日々は、儚い夢幻のような毎日であった、というのです。それは一体、どういうことなのでしょうか?
「湖辺一笑新たなり」、湖の畔、広々と拡がる雄大な景色を眺めながら、ガラリと悟りを開き、呵々大笑...
琵琶湖に舟を浮かべ、その舟の上で坐禅を組み、明け方の鳥の声で悟りを開いた一休禅師のことを思い起こさせる禅語です。
ガラリと悟ってみれば、ものの見え方、感じ方、考え方までもが一変します。そのように悟ってみれば、迷いの中で暮らしていた十年の修行も、実は何も見えておらなんだ、何もわかっておらなんだ、夢のような毎日であった、というのです。
新しい年が、ガラッと新しい光の下に、まったく違う姿で物事が見えるようになりますように。混迷を深める社会の中にあっても、呵々大笑、生まれ変わった新しい気持ちで力強く一歩を踏み出すことができますように、と願いをこめました。
②の「瑞光祥春」は、「瑞光」お目出度い光、「祥春」は、春を祝う、という意味です。新しい年の訪れをお目出度い新年の光りと共に祝う...こちらも、新年の吉祥を芽出たく寿ぐ言葉です。
こちらは、箔押し加工された豪華版です。
先行きの見えない世界だからこそ、力強く、輝かしく、清らかに、楽しく過ごせる一年になりますように...
そんな願いをこめて謹製いたしました。
『巳年記念干支朱印』
普通紙の①は限定200枚、
箔押し特別料紙の②は限定300枚、
元旦からお分けいたします。御希望の方は、受け付けにお申し出ください。
恵林寺では、元旦から三日間、『大般若祈禱會』を厳修致します。
これは、全六〇〇巻という大部になる『大般若経』を、1日二〇〇巻ずつ三日間かけて「転読」する壮麗な行事です。
この三日間の行事によって、「厄除け」の特別御祈祷札「大般若祈祷寶牘」が完成いたします。ぜひお詣りください。
一日、三日は午前10時から、二日のみ午前11時からの開始となります。
恵林寺 山主 謹白