この度、令和３・４年と２年間にわたって行われました、『武田信玄公生誕五〇〇年・四五〇回忌記念事業』として計画されました

　　『恵林寺歴代住職頂相集』

が、刊行の運びとなりました。

本書は、当山、臨済宗妙心寺派乾徳山恵林寺（山梨県甲州市塩山小屋敷）に遺されている歴代住職の頂相について、写真図版とともに、その賛文に釈文と注解を付したものです。

【監修】　乾徳山恵林寺・公益財団法人信玄公宝物館。

【編集】　中野顕正・新津健一郎氏（恵林寺頂相研究会）

【執筆】　恵林寺頂相研究会　中野顕正・新津健一郎・野中友貴・渋谷美穂・鷹野真子

　　　　　志水一行

【製作】　公益財団法人　禅文化研究所

【定価】　本体　5,500円（本体＋税）　

【内容】

緒言　　　　　　　　　乾徳山恵林寺住職　　　古川周賢

刊行に寄せて　　　　　信玄公宝物館館長　　　小野正文

　本書の目的　　　　　　　　　　　　　　　　　編者

第１部　恵林寺歴代住職頂相

　第１章　図版篇

　　　　　開山　夢窓疎石

　　　　中興初世　快川紹喜

　　　　　二世　末宗瑞曷

　　　　　六世　荊山玄紹

　　　　　七世　東法純季

　　　　　八世　大伽道癡

　　　　　（附）大伽道癡　遺誡・遺書

　　　　　九世　泰玄梵修

　　　　　十世　古林義発

　　　　十一世　悦山楚欽

　　　　十二世　喝門梪三

　　　　十三世　義堂玄理

　　　　十四世　延陵丕珣

　　　　十五世　藍田宗蜀

　　　　十六世　円応契梁（甲）

　　　　十六世　円応契梁（乙）

　　　　十七世　篴川元魯（甲）

　　　　十七世　篴川元魯（乙）（推定）

　　　　十八世　寶嶽慈興

　　　　二〇世　文堂會元

　　　二十一世　正道大亨

　第二章　注解篇　恵林寺頂相研究会　編

　　　　　　同上

　第三章　資料篇　　　　　　志水一行　編

　　　　恵林寺住職世代表

　　　　恵林寺関係法系図

第二部　頂相研究のために

　第一章　頂相入門　ー描かれた禅僧のすがたー　　志水一行

　第二章　読解の覚え書き　　　　　　　　　恵林寺頂相研究会　編

住職　古川周賢老大師は、

この度、恵林寺歴代住持の頂相についての調査を、一冊の書物として形にすることができました。
本書は、かねてからの迂生の願いを知っておられました、公益財団法人・信玄公宝物館　小野正文館長のご紹介により、平成二十九年の夏に、気鋭の若手研究者の皆さんと御縁をいただいて以来の、足掛け七年に及ぶ調査研究の成果です。
本来であれば、令和三年・四年の『武田信玄公生誕五〇〇年・四五〇回忌』の記念として上梓する予定でありましたが、新型コロナウイルス感染症の流行による社会の混乱をはじめ、諸般の事情によりそれもかなわず、出版が危ぶまれたこともございましたが、中野顕正・新津健一郎氏はじめ、調査・執筆を担当してくださいました研究者の皆様、頂相という一般に馴染みのない分野の研究書を読んでいくための手引きとして、解説文をお書きくださいました花園大学歴史博物館研究員の志水一行氏、出版業務を担当してくださりました、公益財団法人　禅文化研究所、さらに、素晴らしい研究者の皆さんをご紹介くださり、その後もさまざまなかたちで研究・出版の進行について暖かいご指導をいただきました小野正文館長、このような皆様のおかげをもちまして、出版の運びとなりました。

本書は、恵林寺歴代住持の頂相として現存するものを、「図像」と「偈韻」の両面から調査し、美術としての観点と、宗教・歴史・文学としての観点とが交錯するところにおいて、初めてその内実が明らかにされる、特異な存在としての「頂相」についての研究書として、興味深い内容のものになったと思います。実際、本書の編纂を通じて、戦国期の兵燹のみならず、明治にも深刻な回禄を経験し、資料の多くを失ってきた卑山の歴史について、多くのことが明らかになるとともに、その名前のみしか知ることのなかった歴代の祖師方の境涯が、ありありと眼の前に浮かび上がるような、希有の瞬間を幾度も体験することができました。

本書がお読みの皆様のお役に立ち、さらにはまだまだ未開拓と言える「頂相研究」の世界に一石を投じ、豊穣な頂相研究が本格的に開始される一助となれば、これ以上の喜びはございません。

と話しておられました。

ご購入を希望されます方は、恵林寺受付までお申し出ください。

遠方の方は、￥5,500（本体＋税）と配送料で発送いたします。

ご購入のお問い合わせは、

〒404-0053

山梨県甲州市塩山小屋敷２２８０

　乾徳山　恵林寺

☎   0553-33-3011　(9:00~16:30)

fax  0553-33-3182