2016年12月26日
『恵林寺・忘禅』オリジナル朱印帳が完成いたしました...
そもそも御朱印とは、お寺の参拝者が写経を奉納し、その証として
いただく印でした。それゆえ、御朱印帳は納経帳とも呼ばれます。
いつの頃からか参拝の証としていただけるようになり、やがて神社
にも広がって、多くの寺社で御朱印をいただけるようになりました。
今日では、誰でも簡単にいただくことができますが、それでも観光地
などの「記念スタンプ」とは、本来の意味合いが違うのです。
御朱印には、お守りやお札と同じく、神仏や寺社の名が記されます。
仏前、神前を問わず、お祈りやお願いごとをするときには、誰もが
ご本尊様のお名前をお唱えします。
お名前というのは、ご本尊様やご神体の分身なのです。だからこそ、
御朱印を書く方は、心を込めて一字一字筆を運び、押印をするのです。
印刷物ではありませんから、ひとつとして同じものはありません。
恵林寺オリジナル御朱印帳の表紙に使われているのは、更紗と呼ばれる
染め布です。室町時代の末頃より舶来裂として珍重され、衣装や敷物、
お茶道具の仕覆や掛け軸の表装にと、小さな端切れまで大切に使われ
ました。
モチーフはkembang kates (クンバンカテス/パパイヤの花のこと)と
呼ばれるもので、南国の豊かな自然を意匠化しています。
更紗の歴史を受け継ぐインドネシアの職人が、木版を使って蝋を置き、
一枚ずつ染め上げました。
手仕事ゆえ、御朱印同様、同じものはできません。
私たちもまた、ひとりひとり顔や姿、心が違います。 御朱印帳、そこに
収められた印、手にする人。この世にひとつのものたちが縁を結び、尊い
1冊となることでしょう。
御朱印は神様仏様の分身のような存在です。自宅では「粗末に扱わず、
丁寧に保管する」ことが大切です。
清浄な場所、たとえば仏壇や神棚での保管が理想的ですが、お持ちでない
場合は、タンス上段の引き出しなどに入れて大切に保管してください。
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