2023年03月06日
慶應MCC講座:『古川周賢老大師と感じる・考える【禅の智慧】』が開講されます...
令和5年4月22日(土)から、
慶應MCC agora 講座(臨済宗妙心寺派東京禅センター後援)
『古川周賢老大師と感じる・考える【禅の智慧】』
が開講されます...
わたしたちは長い年月にわたる先人たちの努力の積み重ねによって、安全、安心、安定を追い求め便利で豊かな社会を実現してきました。
それにもかかわらず、めまぐるしく変化し先が見えない社会のなかで日常的に不安に苛まれています。
賢く豊かになったはずのわたしたちなのに、なぜ不安は無くならず、幸福を感じられないことがあるのでしょうか。
本講座では、日常に現れるさまざまな不安について自分自身の中にその根源を探り、不安や安心、そして幸福ということについて、禅の思想と修行体験から得た気づきを手がかりに考えます。そして不安を抱えながらも幸せに自分の人生を歩むために、どう自分と向き合うべきか、自分なりの考えを深めていくことを目指します。
【講座概要】
*講座は、全4回です。
(4月22日、5月13日、6月3日、6月17日:いずれも土曜日)
*第1、2、4回目は、対面(慶應MCC丸の内キャンパス)とオンラインと、どちらでも参加可能です。
*第3回目(6月3日)のみ、山梨県甲州市塩山の臨済宗妙心寺派 乾徳山 恵林寺での対面参加となります。
*第1、2、4回目では、毎回、事前に「講義動画」(15分程度×3~3本)を視聴の上、感想を提出していただきます。感想は、講座のクラス全体で共有され、互いに読んだ上で、当日は講師やクラスメイトと談話、質疑応答を行います。毎回、坐禅(30分程度)も体験します。
*第3回目では、講師が住職を務める山梨県甲州市の臨済宗妙心寺派乾徳山恵林寺に赴き、禅寺での修行を体験します(現地集合・現地解散、交通費各自負担)。こちらは、オンラインではご参加いただけませんが、ご欠席の方には、作法の説明や講話を、後日、録画のかたちで提供する予定です。
【日時・開催形態】
① 4月22日(土) 13:30~16:30
ハイブリッド(対面 or オンライン)
② 5月13日(土) 13:30~16:30
ハイブリッド(対面 or オンライン)
③ 6月 3日(土) 10:30~18:00
恵林寺開催(現地のみ)
④ 6月17日(土) 13:30~16:30
ハイブリッド(対面 or オンライン)
【講座内容】
第1回 わたしの人生における幸せとは何か~幸せをひもとく(1)
わたしたちが「幸せだ」と言う時、感覚的にそう感じて言う場合と、自分の人生を振り返りながらそう言う場合があります。前者は「感覚的な充足」、後者は「意味の充足」といえるでしょう。
「感覚的な充足」は「身体性」に強く基づき、直接的でわかりやすいところにその特徴があります。しかし、自分の身体の状態と世界や社会とのかかわり方に大きく依存します。それでは思い通りの生き方ができない状況に置かれている時、いったいどうしたら良いのでしょうか?世界そして自分との向き合い方という観点から考えます。
第2回 人生に意味を感じるためには~幸せをひもとく(2)
わたしたちは意味づけの世界に生きており、人生を振り返りながらそこに深い意味を見いだして納得するというような「意味の充足」を通じて幸せを感じることができます。これは「身体性」よりも「精神性」に基づくため、身体の状態や世界や社会とのかかわり方に依存せず、比較的自由に幸せを感じられます。しかしながら、今日わたしたちに不安を与えるものの多くは、身体的なものよりも精神的なものに起因します。それはどういうことなのか、どう向き合うべきなのかを考えます。
また、意味づけには、発見し、生み出す、という働きも存在します。生きていく上で、この意味づけの働きをどう活かしていくのか考えます。
第3回 毎日を生きる力の源泉を探る
禅宗の修行僧は道場に住み込み、毎日作務や坐禅などを徹底して行います。修行はいったい何を目的とし、どうやってそこへ到達しようとしているのでしょうか。わたしたちも山梨の名刹である禅寺「恵林寺」に赴き、僧侶の案内のもと坐禅や作務、独特の作法などを体験します。自然のただ中で、極力言葉を用いず、作業に集中しながら研ぎ澄まされる身体感覚に注意を向け、その経験からの気づきをそれぞれに掴みます。
※恵林寺での現地開催です。作務などはご体調に応じて坐禅や見学にすることも可能です。欠席の場合は講話部分のみ後日視聴となります。
第4回 自分の心・人生と向き合い幸せに生きるために
自分の人生をしっかりと生きていくうえで、自分の心の働きとどう関わるかは最も重要な課題になります。「感覚的な充足」にせよ「意味の充足」にせよ、人生に意味と喜びを与え、日常の様々な問題に対して立ち向かっていくためには、「感じる」「考える」の中心にある「こころ」が安定し、活き活きとしていなくてはうまくいきません。これまでの回を通して得た気づきを手がかりにして、自分自身の心との向き合い方を考えます。
*お申し込み・お問い合わせは、慶應MCC丸の内シティー・キャンパス、まで。
住職・古川周賢老大師は、
慶應MCCのこの講座との御縁は、今年で10回目、10年になります。
道場の修行を終えて、山梨のお寺に御縁ができて、本格的な形での講座を担当させていただいたのは、この慶應MCCが初めてで、十年以上道場に暮らし、いきなり一般社会に戻ってきたために、世界の変化も、現実の世の中のことも何もわからない中、社会勉強をしながら手探りで担当の方や、受講生のみなさんからたくさんのことを教えていただきながらの担当でした。
禅寺の修行の世界にどっぷりだったために、修行によって得たものを、普通一般の形で伝えるためにはどうしたら良いのか...
そんな問題意識を抱きながら、毎回、資料を準備し、講座の組み立てを考えていました。
そうした経験の中から、仏教語や禅語を用いないで、その言わんとするところを伝える、という課題に、少しずつ筋道が見え始めてきています。
そのようなわけで、今回の講座も、少しでも前進できるように、考えを積み重ねているところです。
このような時代だからこその禅の役割を、みなさんとともに考え、わがものにしていきたいと思っています
と話しておられました。
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